━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】 Vol.367/Part2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ / 2018年6月29日発行 /

▽Q.4▼▽
高城様こんにちは、いつも楽しく拝見させて頂いています。
私は最近cafe巡りにハマっておりまして、まだ自分がやりたいcafeのイメージがはっきりと固まっていないのですが、将来的には自分でもcafeを経営してみたいと思っています。
以前高城様がこちらのメールマガジンで「僕がcafeを経営するなら音響に力を入れる」とおっしゃっていたのですが、音響に力を入れているcafeを国内外を問わず教えて頂けませんでしょうか。
chill outが好きなので、cafe del merには行ってみようと思っています。

【 A 】
かつて、日本中にあったジャズ喫茶には、どこも高価なオーディオが備えられていました。
真空管アンプJBLの「パラゴン」と呼ばれる家具のようなスピーカーを前にして、素晴らしい音楽と美味しいコーヒーを嗜むのは、僕の経験からも「至福の時間」でした。
その後、家庭用オーディオやウォークマンの普及による音楽のモバイル化とあいまって、ジャズ喫茶は衰退します。
あの独特の空間が生み出す「感覚」を、異なった場所で見事に変換できたのが、作家・村上春樹です。
村上春樹は、国分寺でジャズ喫茶「ピーターキャット」を経営し、ここに取り巻く人間模様と音楽との関係性が、その後の村上作品のベースとなって、世界的な作家へと成長しました。
さて、最近日本でも「ムジーク」(https://me-geithain.de/index.php/en/)などの現代的な良いスピーカーを設置するカフェやバーが少しづつ登場しはじめましたが、どうせなら、聞いたことがないような音場を提供するために、スピーカーは一から自作したいところです。
しかし、イビサのcafe del merに行けばわかりますが、自然環境と抜群の選曲には、どんな音響システムもかないません。
また、同じイビサでも僕が住んでいたすぐそばにあるKumharas(http://kumharas.org/es-es/)は、Cafe del merとはまた違った素晴らしさがあります。
近場でしたら、セブ島のLantawは、行きづらい場所にありながらも、夕日目当てに大挙して人が押し寄せ、大成功しています。
時代は、インテリア(モダンファニチャーから手作りまで)に凝ることではなく、ロケーションこそが、カフェの醍醐味になっていると思いますね。
その上で、素晴らしい選曲と音響システムがあれば、まさに「いままでにない至福の時間」を顧客に提供できるでしょう。

▽Q.5▼▽
地方から半年研修で、東京に行きます。
週末遊びに行くならどこでしょうか?

【 A 】
これは、ご趣味とご予算、そしてお求めによっても異なりますが、まず、東京を俯瞰的に理解することからはじめましょう!
東京は皇居を中心に設計されていて、道が放射線状に広がり、それを環状線が繋いでいます。
内堀通り外堀通りと輪が広がり、6番目の環状線を山手通り、その次の7番目の環状線を環七と呼びます。
また、放射線状に伸びる道は、環状線明治通りと山手通りを走るJR山手線駅とぶつかるようになっています。
このJR山手線駅を駅ではなく、俯瞰的なグリッドとして考えると、捉え方がまったく異なるのが東京に面白さなんです。
ちなみに、最近になってようやく実質的な開通となったマッカーサー通りを含む環状2号線は、虎ノ門ヒルズ開業にあわせた、森ビルのロビー活動によるもので、このように東京のストリートを理解すれば、過去、現在、未来の東京を俯瞰的に理解することが可能となります。
さて、半年東京にいらっしゃるということは、土日で50日程度「週末遊びに行く」機会があるでしょうから、山手線駅だけを見ても29駅(もうじき30)ありますので、1日1駅を中心に周囲を俯瞰的に散策すれば、東京を誰よりも理解できるようになるでしょう。
一方、50日程度ある機会のほとんどを、ただ享楽的に「週末遊びに行く」ことに使ってしまうと、得るものはさほどありません。
このふたつの話は、単に真面目に都市を研究するか、ただ、東京の日々を消費するかといった類の話ではなく、誰もが知ってるようで知らない東京を貴君が理解することにより、短いご質問から察する(失礼ながらも)乏しい人的コミュニケーションを助けるのに、大いに役立つと考えられます。
いまなら、未来を選ぶことが可能ですよ、数ヶ月後にある出会いの。

▽Q.6▼▽
僕は、4年前までテレビの情報をあてにして生きてきた40代の男です。
世の中の裏の部分を知って540度考えが変わってしまい、テレビはほぼ観ない生活になりました。
前置きが長くなりました。
質問は、抗がん剤放射線に関してです。
高城さんはガン予防なさっててガンにはなりづらいと思いますが、もしガンになった場合、スーパードクターが推奨したら行いますか?

【 A 】
スーパードクターに限らず、信頼する医師が抗がん剤治療を推奨し、その抗がん剤が(主には遺伝子的に)僕に問題ないようだったら、すぐにも行うでしょう。
がんは時間との戦いです。
すべての抗がん剤放射線治療を、頭から否定すべきではありません。
また、平行するように代替治療や誰でも簡単に自宅でできるメガメラトニン療法も行い、可能なら先端医療も取り入れます。
予防も治療も、組み合わせこそが、現代のメソッドだと思いますね。

▽Q.7▼▽
私は今41歳の男です。
20年以上前ですが突然全身に麻痺が起こり、うまく歩けない時期もありました。
その後少し麻痺は治り手と足にのみ麻痺が残っている状態がずっと続いています。
どの病院に行っても原因不明で当時は結局精神科に回されていました。
10年ぐらい前にはCIDPの可能性があると言われ入院して治療を受けましたが、何も効果がありませんでした。
その延長線なのかは分かりませんが、ここ数年は変なめまいに悩まされています。
一つ分かったことは小麦を食べると直ぐに体調が悪くなることです。
めまいがしてうつ気味になります。
以前から食べると体調が悪くなる日が多く、遅延型アレルギー検査を受けましたがどの項目も異常はありませんのでしたので、直ぐには気づきませんでした。
小麦が原因で全身に麻痺が起こるようなことはあるのでしょうか。
長くなってしまいすいません。
小麦について何かご存知であれば教えてください。

【 A 】
いまや米国東西沿岸沿いにある大都市のそれなりのレストランでは、顧客の4人に一人は、グルテンフリーを申告しています。
この数字は、ただ「時流に乗ってる」人も少なくないのでしょうが、実際に、小麦を止めることで調子を取り戻す人が多いのも否めません。
僕が考えるに、何千年も食べられてきた小麦が悪いのではなく、戦後、工業製品のように作られた農法や工程に要因があると考えています。
実際、オーガニックの良い「玄麦」のまま日本に持ち込み、そのまま引いた小麦は、僕らが知る小麦とまったく別の味わいがあります。
たぶん、これが本来の小麦の姿なのでしょう。
また、他の人の症状や情報はさておき、ご自身の体の反応に素直に従いましょうよ、ご自身を信じて。
小麦や食事に限りませんが、「なにかをやめる」のは、現代社会で生きる者を守る最良の手立てなのです。

▽Q.9▼▽
AbletonとPush2を学びはじめました。
オフィシャルのマニュアルと動画でざっくりと概要はつかみました。
音楽素養はピアノと弦楽器を少々引く程度です。
以下2点についてご教授ください。
1.深い理解をするために、前号で触れられていたようなオンライン講習を受けたいと思いますが、おススメのAbletonクラスはありますか?
2. 高城さんのようにクラブでプレイしたいわけでもないですが、1人でここまで演奏できるのか!と感動しながら好きな曲をコピーしてます。
以前動画と音楽を1人でつくる人は少ないとのことでしたが、もう1つ何か別の目標になるDTMスキルの活かし方があれば教えてください。

【 A 】
どらくらい本気かによって、また、理解度によってもオンライン講習の選び方が異なるのはAbletonに限った話ではありませんが、注目すべきは、オンラインのプライベートレッスンです(https://subaqueousmusic.com/book-a-session/private-classes/)。
DAWと呼ばれる音楽アプリケーションは、理解度によって頓挫する箇所が皆違い、だからこそ、プライベートレッスンが有益です。
今後、あらゆるオンライン講習で、プライベートレッスンの価値が高まると僕は考えています。
また、人気があるAbleton Liveのオンライン講習は、Producer Tech(http://www.producertech.com/software/ableton-live.html)だと思います。
DJといえば、少し前までクラブでプレイする人たちを指しましたが(その昔は、ラジオのパーソナリティを指しましたが)、いまやトラックメーカーを指す言葉です。
時代は、ご自身で作った曲をご自身で販売することが可能な「誰でもプロデューサー」なんです。
DTMスキルの活かし方」は、間違いなくヒットプロデューサーを目指すことだと思いますね。
この時代、なにが大当たりするかわかりませんよ。
ご活躍に期待します!

▽Q.10▼▽
未来文庫しかり、本を書く事はこれからの時代を生きていく上で必要なスキルと唱えてらっしゃるので、私も本を書き始めました。(まだ企画書の段階です。)
以前、執筆は外付けキーボードとiPhoneのみでされているとありましたが、現在もその状況は変わらないでしょうか。
またその後、より良い外付けキーボードに出会われましたでしょうか。
もしよりオススメのキーボードかあれば教えて下さい。

【 A 】
もうじきNextraveler Toolsで製品化を予定しておりますMacBookジャストサイズのサコッシュの調子があまりによく、最近は、MacBookを持ち歩くようになりました。
体にピタっと一体になり、軽いこともあってまるで手ぶらのようですが、サッと取り出し、文章だけでなく、写真の編集や音楽制作なども行えるのは、Macbookならではです。
また、外付けキーボードとiPhoneも相変わらず活用しておりますが、この組み合わせの問題は、ラップトップ、つまり電車の移動時に膝上で書けないことにもあります。
今年は、文章だけでなく、音楽、写真、映像を作る機会が多いため、MacBookジャストサイズのサコッシュを重宝して使ってますね。
(一応、MacBookジャストサイズのサコッシュは、この秋に販売予定しておりますが、相変わらず予定は未定です)。

▽Q.11▼▽
高城さんのテキストで好きな言葉に「シズル感」という言葉があります。
本能的という意味では使われているとお察ししますが、聖書もそうだと思いますが、いい文章とは本質的にポルノグラフィーであるべきではないか、と個人的に考えました。
そこで、カメラが趣味ということもあり、一度有名なポルノグラフィーをじっくり読んでみたいと思っています。
変態写真のせどりで生計を立てていらっしゃった高城さんのバックボーンから、オススメのエロ本を教えていただきたく思います。
よろしくお願いいたします。

【 A 】
どこのレストランでも写真ばかり撮る「フードポルノ」に代表される言葉の「ポルノグラフィー」を広義に捉えれば、また、同じように「エロ本」も広義の意味で解釈すれば、レニ・リーフェンシュタールの写真と映画は、素晴らしい「エロ本」だと思います。
聖書が「本質的にポルノグラフィー」とお考えのように、第二次世界大戦時のドイツでは、ヒトラーの言葉が聖書より重く、それを視覚化したのが、レニ・リーフェンシュタールです。
肉体美を撮ったベルリンオリンピックの記録映画『オリンピア』も素晴らしいと思いますが、ナチス党大会の記録映画『意志の勝利』のほうが、「本質的にポルノグラフィー」だと思いますね。
このレニ・リーフェンシュタールを現代的に解釈したのが、ハーブ・リッツです。
一方、「ポルノグラフィー」に官能的な意味を含めていらっしゃるなら、ヘルムート・ニュートンあたりを入り口にするといいでしょう。
この奥の道は相当深く、入り込めれば「変態写真のせどりで生計」を立てることが可能です。
また、「シズル感」とは、エルマー・ホイラーが考案した広告用語で、彼の著書「ステーキを売るな、シズルを売れ!」にありますように、ステーキが焼ける「ジュージュー」音のようなな「説明できない感じ」を指します。
よくご質問を頂戴しますが、なかなか成功しないオンラインビジネスやコンテンツは、どこか「シズル感」が不足しているので、魅力に欠けるのでしょうね。

▽Q.12▼▽
いつも貴重な情報をありがとうございます。
料理が好きでこの年まで飲食店でずっと働いてきましたが、齢40にして海外でもう一度料理の勉強をしたいと思い、バスクの料理学校に行きたいと考えています。
授業などはスペイン語なので、まずスペイン語をある程度習得したいのでスペイン語を習得するのに留学先でのオススメ場所を教えて下さい。

【 A 】
先日、通りがかった道沿いにポツンと置かれていた看板の文言にひかれ、飛び込みで入ったイタリアン・レストランの店主の話によれば、45歳で決意して飲食業界に飛び込み(それ以前は、まったく別の仕事)、いきなりイタリアに行った、とのことでした。
しかし、イタリア語が話せるわけでもなく、とにかくレストランを回って働ける店探し出し、日中はイタリア語の個人レッスンを受け、夜は皿洗いの日々が続き、2年も経たないうちに、イタリア語も料理の腕もそれなりになったとのことでした。
この2年間は、二十歳の2年間と、それなりに社会経験もある2年間では、まったく得るものが違うという話が印象的でした。
一方、「齢40にして」忘れてならないのは、経験(や資金)に溺れず、二十歳のように無鉄砲に飛び込む気概です。
そこで、「バスクの料理学校に行きたい」とお考えのご様子ですから、「習得するのに留学先でのオススメ場所」は、やはりバスクだと思いますね。
まだ「齢40」ならば、もう少し無鉄砲に進みましょうよ、次の人生に向けて。

▽Q.13▼▽
高城さんにとって、興味があることについて調べる(本を読む、人に話を聞きに行く)ことは、遊びでしょうか勉強でしょうか?
自分の中のどういう時間として捉えてらっしゃいますか?

【 A 】
なにをするのにも、遊びや勉強と「決めつけず」、ただ、面白いと思ったことを探求しているだけなんです。
あえて言えば、僕のなかで「面白く楽しい時間」なんだと捉えています。

▽Q.14▼▽
写真、動画制作を始めようとSonyα7を購入しました。
今後、機材や編集環境を早急に整えようと思っています。
そこで参考にさせて頂きたく、高城さんの最新の機材等を教えて頂けたらと質問させて頂きました。

【 A 】
もう何年も、Sony「α7」シリーズと4K以上の動画編集用にはMacBook Proを使ってます。
いまのセッティングは、7R3にライカの50mmレンズとMacBook Pro15インチ(late 2016)ですね。
写真の現像には、adobe Lightroomを使用し、動画もLightroomで基本的な色を作って、LUTを吐き出してあててます。
この夏は、久しぶりに21mmレンズを持ち出してみようと考案中。
広角の夏!

▽Q.15▼▽
いつも、本当に示唆に富む回答の数々、楽しみにしています。
さて、質問ですが、リーディングというのは、本当に出来る人はいるんでしょうか?
例えば、エドガーケイシー氏など!
過去世や、宇宙からの回答など。
人類の叡智にアクセスしている人達は、存在するのでしょうか?
是非、高城さんの見解を!

【 A 】
確かにリーディングできる人はいると思いますが、未来はいくつも存在しますので、そのうちのひとつをリーディング出来ても、あまり意味はない、と考えます。
そのリーディングとは違う世界を選ぶのは、常にご自身ですから。
つまり、結果的には「当たるも八卦、当たらぬも八卦」になるんだと思いますね。

▽Q.16▼▽
趣味で占いをやっている者です。
最近では副業的にお金をいただける機会も増え、「ビジネスとしての占い」に関心が出てきました。
そこで高城さんにお聞きしたいのですが、これからの占い師に求められるものは何になるとお考えでしょうか?
また占いの世界にも大きな技術革新や発明のようなものが起きる余地・予兆はあるのでしょうか?
世界的に見ても占いは一大産業のように思うのですが、海外の動向や一般には知られていない凄腕の占い師はいるのかw、なども含めお聞かせいただけると幸いです。

【 A 】
すでに他界しましたが、占星術界の巨人ジョナサン・ケイナーは、占星術の腕もさることながら、文章表現が抜群で、まるで詩人のようでした。
一般的に、占いは当たる当たらないなどが「凄腕の占い師」の基準のように判断されますが、僕は「内省への美しい気づき」こそが、「これからの占い師に求められるもの」だと思います。
ジョナサン・ケイナーは、この点で他者に類を見ませんでした。
「また占いの世界にも大きな技術革新や発明のようなものが起きる余地・予兆は」、間違いなくディープ・ラーニングでしょう。
すでに、占星術をはじめとするいくつかの占いは、プロフェッショナル用のアプリケーションが高値で取引されており、今後はクラウドとディープ・ラーニングの時代を迎えます。
その先には、体内のセンサーと連動するバイオロジカルな占いも登場し、これらを駆使した「凄腕の占い師」が現れるでしょう。
実際、凄腕なのはご本人じゃないのですが。
いまのアイドルソングと同じ構造ですね。
ちなみに、友人の「一般には知られていない凄腕の占い師」は、プーチンにスカウトされ、海外へと移り住みました。

▽Q.17▼▽
30代男です。
繊維商社の出身でファッションテックに興味があります。
ベトナムなど良いお針子さんのいる地域で、防皺やストレッチなどテック素材を使ったオーダースーツのオンライン販売を考えています。
ゆくゆくはスーツのパターンを公開にして、お針子さんとお客様を繋ぐCto Cプラットフォームが作りたいです。
面白いオリジナル商品を作られている高城さんでしたら、どの様にオーダースーツをハックされますか?

【 A 】
かつてロンドンに住んでいた時に、チームのメンバーから散々言われたのは、イギリスでは、住んでいる場所とスーツ、そして話し方で仕事の9割が決まると何度も助言されました。
僕はどう見ても外国人ですから、話し方はそこまで求められないとしても、車など成金が話すような内容は厳禁である、と口すっぱく注意され、街中の良い場所に住み、良いスーツを仕立てることになったのです。
一般的に、ロンドンでスーツを仕立てるので有名なのは、サヴィルローです。
サヴィルローは、歴史的なスーツ屋が立ち並ぶ地域ですが、ここにある店舗ではなく、ここに月に何度かだけ足を運ぶ特別なカッターによるものじゃなければならない、と紹介を受け出向きました。
その王室御用達でも知られる著名なカッターにはじめてお目にかかった時は、採寸もなにもせず、話して終わり。
正直、あっけにとられました。
その後、スーツを仕立てる、つまりビスポークという言葉の意味は「対話」だと教えられました。
徹底的に「対話」することによって、その人がどんな性格の人で、どんな仕事をして、どんなライフスタイルを送っているかによって、仕立てが一から変わるのです。
確かに、体にピタッと合うオーダーメイドは、採寸して、それなりの「お針子さん」がいれば作れます。
しかし、ビスポークは違います。
件のカッターは、僕のライフスタイルから、動きやすいようにアームホールをかなり大きくして、素晴らしいスーツを仕立てました(一年半かかりましたが)。
このような経験から、僕なら「対話」をいかに「C to Cプラットフォーム」に持ち込むかを考えるでしょう。
なにしろ、顧客が求めるのは物語だからで、事実、ロンドンで仕事をする上で、いまお話しした物語は、なによりも役にたったのです。

▽Q.18▼▽
高城さんは、人生の岐路であろう選択に悩んだり、迷ったりした経験はありますか?
また、そのような時に意識している事はありますか?
迷っているならタイミングではないでしょうか?
高城さんは、悩んだり迷ったりせずに直感でがんがん決めてるイメージはします。

【 A 】
判断を迷うことは滅多にありませんが、それは、大前提として、失敗を受け入れる覚悟が常にあるからなんだと思います。
多くの人は、とにかく失敗しないように考え、その大半は自分で勝手に作った「恐れ」に起因します。
はじめから失敗を恐れなければ、また、失敗しても死ぬわけじゃなかったら、僕はそこまで悩みません。
人生は、それなりに長いものです。
しかし、多くの人々は短期に成功を求め、それゆえ失敗を恐れます。
一方、遠い未来の成功を目指し、それゆえ短期的に失敗してもまだまだチャンスがあると考えれば、目先の失敗など大したことありません。
どんどん挑戦して、どんどん失敗すればいいじゃないですか。
直感でも経験からでも、なんでも。
失敗しても、得るものが必ずあります。
それが、「人生の岐路」を楽しむコツだと思いますね。